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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床経験

腓腹神経を含んだ下腿後面の島状皮弁により,踵部の皮膚欠損を再建した1例

著者: 黒河内和俊12 揖野學而1 中村滋1 新田弘幸1 澤野浩1 松原祐二1 白松兼次1 鳥居修平3

所属機関: 1掛川市立総合病院整形外科 2名古屋大学医学部整形外科 3名古屋大学医学部形成外科教室

ページ範囲:P.603 - P.606

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 抄録:症例は,77歳,男性.脊髄損傷の既往あり.ガラス片で右足底を切創するも放置.右踵骨骨髄炎があり,右足底全体のデブリードマン,踵骨の病巣掻爬,腸骨による骨移植を行った.踵骨の露出した軟部組織の欠損は縮小せず,sural neuroskin island flapによる被覆を行った.術後3カ月現在踵部の免荷装具にて松葉杖歩行を行っているが,移植部のトラブルは生じていない.
 neuroskin island flapの利点は,デザインが容易であること,移動距離が長いこと,手技が簡便であることであり,問題点としては,採皮部以下の表在知覚を失うこと,皮弁の強度が弱いことである.1991年Masqueletらはsural neuroskin island flapを足背部に利用したが,我々は初めて踵部にも応用し,良好な結果を得た.そのほか,果部,アキレス腱部といった足関節周囲の皮膚再建に対しても非常に有用であると推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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