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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床経験

自損行為により発生した頚髄切断の1例

著者: 山田圭1 後藤琢也1 賀茂和典1 田平礼一1 薗田恭輔1 宮城成圭2 河野邦治3 内川知也3

所属機関: 1聖マリア病院整形外科 2久留米大学医学部整形外科 3大牟田市立病院

ページ範囲:P.607 - P.610

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 抄録:症例は40歳男性で,精神分裂病があり何度か自殺企図の既往があった.1993年1月1日包丁を自分で前頚部に刺して受傷した.近医に搬入され全麻下に包丁を抜去した後,当科に紹介された.入院時神経学的所見は,上腕三頭筋以下の完全弛緩麻痺,C4からTh2までの知覚鈍麻,Th3以下の知覚脱出,深部反射消失,膀胱直腸障害を認めた.受傷後4日目より細菌性髄膜炎を発症し,MRIにて,C4/C5棘突起間より後頚部皮下に連続する嚢胞性病変を認め,手術的に除去した.しかし,その後発熱,骨融解を伴う化膿性脊椎炎を続発した,神経学的所見は上腕三頭筋,手関節背屈に若干の改善があるのみであった.包丁が横方向に頚部に刺入したにもかかわらず重要器官の合併損傷もなく、しかも椎間板を貫通して脊髄を切断した極めて稀な症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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