icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

臨床経験

中高齢者における内側半月板後角部の断裂について

著者: 幅田孝12 玉井進1 三馬正幸3 藤沢義之4

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科 2現:奈良県心身障害者リハビリテーションセンター整形外科 3済生会奈良病院整形外科 4奈良新大宮整形外科

ページ範囲:P.617 - P.622

文献概要

 抄録:中高齢者に生じた内側半月板後角部断裂の臨床的特徴,診断の要点,発生機序について検討し,中後節部の変性断裂と比較検討した.靱帯損傷の合併がない内側半月板損傷症例中,中高齢者は191例,199膝で,そのうち本断裂を呈した16例,17膝を対象とした.自覚的には,軽微な外傷により膝後内側から後方の痛みが,一種の衝撃感を伴って発生しており,強い痛みを訴える場合が多かった.中後節部の変性断裂の症例では,X線的,関節鏡的な関節症性変化が多いのに比し,今回の症例ではむしろ軽く,内反膝や荷重による内反動揺性も軽度みられたが,著明ではなかった.断裂様式は,全例,横ないしは裂離(付着部断裂)であり,半月板の部分切除にて術後経過は良好であった.後角部の鏡視にあたっては,斜視鏡を駆使して十分に観察する必要がある.また,このような断裂は,膝屈曲位での圧迫捻転力が後角部への牽引力となって発生するものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら