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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床経験

Ulnocarpal abutment syndromeに合併した月状骨骨内ガングリオンの1例

著者: 川上寛1 渡部健1 浦田士郎1 矢崎進1 大脇義宏1 山田高士1 神谷光広1 濱邊卓也1 稲垣善幸1

所属機関: 1安城更生病院整形外科

ページ範囲:P.627 - P.630

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 抄録:ulnocarpal abutment syndromeに合併した月状骨骨内ガングリオンの1例を経験した.症例は,50歳女性で主訴は右手関節痛.初診時X像では,月状骨掌尺側に周囲の硬化を伴った透亮像と尺骨のプラスバリアントを認めた.臨床症状およびCT,MRI,骨シンチ,手関節造影からulnocarpal abutment syndromeに合併した月状骨骨内ガングリオンが疑われた.手術により月状骨からゼリー状内容物を有する腫瘤を摘出し,尺骨短縮骨切り術,病巣掻爬,骨移植の施行により良好な結果がえられた.病理所見は,骨内ガングリオンとして,矛盾はなかった.本症の骨内ガングリオンは,尺骨のプラスバリアントのため,月状骨尺側とのimpactionが起こり三角線維軟骨(以下TFCと略す)を損傷し,micro fractureが月状骨に発生して,滑液が侵入し,発生したという過程が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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