icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻6号

1994年06月発行

文献概要

論述

X線上明らかな骨傷のない頚髄損傷

著者: 植田尊善1 芝啓一郎1 白澤建藏1 大田秀樹1 森英治1 力丸俊一1 加治浩三1

所属機関: 1総合せき損センター整形外科

ページ範囲:P.641 - P.649

文献購入ページに移動
 抄録:1990年5月より1992年4月まで2年間連続した40例の急性期X線上明らかな骨傷のない頚髄損傷に対し,神経学的検査,X線,MRIの経時的観察等詳細な検討を行った.脊髄損傷部はT2画像で高信号として出現し(37例,93%),当初範囲が広いが,次第に損傷部へ限局していった.1~3カ月後にT1画像でスポット状の低信号が出現する例が多く(25例,63%),T1低信号の出現しない例より麻痺は重篤であった.T1,T2とも経過中信号変化の出現しない症例3例が最も良好な予後であった.損傷部の圧迫は軽度な例が多かった.動態撮影で後方辷りは17例(43%)にみられたが,保存的治療にて不安定性の増強はみられなかった.損傷高位はC3/4に27例(68%)と圧倒的多数に見られた.C3/4損傷の特徴は三角筋力低下,横隔膜神経不全麻痺,C3後方辷り,C3/4部の動的脊柱管狭小,脊椎症性変化が軽微などであった.動態MRIにてC3/4間での前後からの脊髄の挟撃が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら