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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻6号

1994年06月発行

文献概要

シンポジウム 変性腰部脊柱管狭窄症の手術的治療と長期成績

腰部脊柱管狭窄症の自然経過―5年以上追跡例の検討

著者: 林信宏1 玉置哲也1 吉田宗人1 岩橋俊幸1 山田宏1 笠松隆洋2

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2和歌山県立医科大学公衆衛生学

ページ範囲:P.679 - P.685

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 抄録:腰部脊柱管狭窄症(以下LCSと略す)の自然経過を明確にするため,5年以上追跡可能であった非手術例41例において臨床症状および自覚症状の推移を検討した.初診時における罹病期間は2週間~20年,平均3年2カ月であり,経過観察期間は5年1カ月~12年6カ月,平均8年2カ月であった.日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOA score)を用いた自覚症状の推移では症状軽減8例(20%),不変25例(60%),悪化8例(20%)であった.一方,他覚症状の推移は,軽減6例(15%),不変12例(29%),悪化23例(56%)となり両者間で大きな差異が認められた.また,多変量解析を用いて初診時の年齢,罹病期間,各種症状などの因子から5年以上経過時の予後評価を試みたが,重相関係数0.628,寄与率39.4%と満足のいく結果は得られなかった.このことは,LCSの予後評価の困難さを表すと共に,LCSに対するJOA score systemの再検討の必要性を示唆しているものとも考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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