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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻6号

1994年06月発行

文献概要

臨床経験

先天性拘縮性くも指症の1例

著者: 二井英二1 矢田浩1 原親弘1 浜口謙蔵2 山崎征治3

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2浜口整形外科 3上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.745 - P.749

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 抄録:比較的稀な先天性拘縮性くも指症(congenital contractural arachnodactyly)の1例(1家系)を経験したので報告した.症例は,生後1カ月の男児で,高身長と耳介の特異な変形を認め,手指はやや細長く,固く握り,足部,足趾もやや細長く,前足部の軽度の内転変形,四肢の大関節の拘縮がみられた.母親にも同様の耳介変形,上部胸椎部で後弯,細長い手指がみられた.また,母方の祖母にも同様の耳介変形と細長い手指,指関節の軽度の屈曲拘縮がみられ,母方家系内に同様の症状をもつものの多発を認めた.先天性拘縮性くも指症は,現在までに欧米では100余例,本邦では22例の報告がみられているが,家系内発生の報告が多く,常染色体性優性遺伝が考えられている.鑑別診断としては,Marfan症候群ホモシスチン尿症,Achard症候群,遠位関節拘縮症候群などがあげられるが,特にMarfan症候群との鑑別が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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