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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻7号

1994年07月発行

文献概要

臨床経験

尺側全CM関節掌側脱臼の1例

著者: 山田陸雄1 高橋惇1 外川宗義1 西幸美1 伊藤正純1 河野克己1 小山明1

所属機関: 1清水市立病院整形外科

ページ範囲:P.853 - P.856

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 抄録:われわれは,稀な外傷である尺側全CM関節掌側脱臼の1例を経験したので報告する.症例は20歳の男性で,乗用車を運転中,交差点で右折中の軽トラックに衝突,受傷した.初診時所見では,右手の著明な腫脹・疼痛,右手指の運動障害,および右前額部挫傷を認めた.単純X線撮影では第2から第5CM関節にかけてのmalalignment,側面断層撮影では,第2から第5CM関節にかけての掌側脱臼,および,第2中手骨基部背側の剥離骨折を認めた.受傷2日目に徒手整復,Kirschner鋼線による経皮的ピンニングを施行した.受傷後3カ月時では,握力の低下を認めるが,手指の運動は正常で原職に復帰している.今回の発生機序は,直達外力の他に,受傷時,体が右方へ飛ばされた際,第5CM関節尺側を軸とした回旋力が発生し,CM関節の掌側脱臼を生じたものと推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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