icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

論述

腰部神経根障害患者における下肢圧痛点

著者: 高橋弦1 高橋和久1 山縣正庸1 大竹良治1 豊根知明1 森永達夫1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.867 - P.872

文献購入ページに移動
 抄録:片側性の下肢症状を呈する腰椎椎間板ヘルニア症例109例において,中殿筋,大殿筋,坐骨神経,大腿四頭筋,大腿二頭筋,内側ハムストリング筋,脛骨神経,前脛骨筋,外側腓腹筋,内側腓腹筋において圧痛の陽性率を求めた.そして1例あたりの圧痛陽性点の数と年齢,罹病期間,JOAスコア,SLR角度との関係を検討した.また圧痛,筋力低下,知覚障害の症状出現率を比較した.圧痛出現率は中殿筋,坐骨神経,外側腓腹筋,大腿二頭筋の順に高かった.圧痛陽性点の数は若年者では有意に少なく,JOAスコアの低い症例で有意に多かった.症状出現率は圧痛55.1%,筋力低下37.6%,知覚障害67.0%であった.以上より腰部神経根障害において下肢の圧痛点は若年者では現われにくく,下肢症状の強い症例に現われやすいことが判明した.さらに圧痛点の出現率は他の神経脱落症状と大差はなく,圧痛は神経根障害の診断上有用な徴候と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら