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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

論述

腰椎椎間板ヘルニア手術後の遊離移植脂肪片の変化

著者: 平泉裕1 小川大介1 内田均1 福島一雄1 佐藤秀二1 藤巻悦夫1

所属機関: 1昭和大学医学部整形外科

ページ範囲:P.873 - P.878

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 抄録:腰椎椎間板ヘルニア摘出術時の遊離脂肪移植について,移植した脂肪片の占拠部位,脂肪片の面積,信号強度,硬膜管への圧迫・癒着等の術後変化をMRIにより検討した.対象は後方侵入によりヘルニア摘出術を行った56名63椎間(男性35名,女性21名)である.結果は,39歳以下の群または女性群で有意に脂肪片の線維化が少なかった.術後経過期間と線維化には相関がなく,脂肪片が椎弓部に限局する例は,脂肪片が傍脊柱筋下や脊柱管内までおよぶ例に比べて変性が進んでいた.以上より,遊離移植脂肪片は若い女性ほど高信号の良好な状態で生存し,椎弓部に限局して移植されると変性し線維化しやすいことがわかった.遊離脂肪移植は全ての例で十分な癒着防止効果を発揮するとは限らないことが,動物実験でも確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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