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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

論述

上腕骨骨幹部骨折に対するKüntscher髄内釘固定法の検討―横止め螺子固定法の応用

著者: 月坂和宏12 永田義紀1 村瀬雅之1 上田久司1 森川健1 大田政史1 安達長夫1

所属機関: 1中国労災病院整形外科 2現:広島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.879 - P.887

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 抄録:上腕骨骨幹部骨折の治療は,保存的治療で可能なことが多いが,横骨折ではその回旋不安定性のため偽関節になり易い.当科では観血的治療として,新鮮,陳旧例を問わず原則的にKüntscher髄内釘固定法を行っている.上腕骨骨幹部骨折に対して施行したKüntscher髄内釘固定法症例65例のうち追跡調査し得た63例について治療成績を検討した.63例中全例に最終的な骨癒合を得ていた.偽関節は9例に認め再手術を要したが,これらは後療法における回旋運動への配慮不足が原因であった.横止め螺子固定のない症例では44例中8例が偽関節となったが,併用例では19例中1例のみに減少した.髄内釘は原則として末梢側から刺入しているが,肘関節に軽度伸展制限を残す傾向にあったが,日常生活動作には支障なかった.上腕骨骨幹部骨折においてKüntscher髄内釘は,剪断力に対しては強いが回旋に対する固定が確実でないため,横止め螺子固定を併用することが肝要と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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