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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床経験

上位頚椎病変と顎関節破壊により閉塞性睡眠時無呼吸症候群を発症した慢性関節リウマチに対する治療経験

著者: 杉本瑞生1 東文造1 宮本紳平1 木村友厚1 米延策雄1 越智隆弘1 川本知明2 森悦秀2 菅原利夫2 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科 2大阪大学歯学部第二口腔外科

ページ範囲:P.939 - P.943

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 抄録:慢性関節リウマチ(RA)と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の合併は1983年以降数例報告され,その治療は重症例では気管切開による呼吸管理とされている.今回われわれは,RAにOSASを合併した症例で既に気管切開術を受けている患者に対し,頚椎および顎関節に対する治療を行うことにより気管切開を閉鎖し得た1例を経験したので報告する.症例は73歳女性で,発症後10年経過したムチランス型RAである.前医において92年2月に呼吸困難に対して気管切開術を受けたが,気管切開を閉鎖できず当科入院.本症例は,RAによる環軸椎後方脱臼と顎関節破壊に伴う二次性の下顎後退症により上気道の閉塞を来し,OSASが発症したものと考えられた.環軸椎後方脱臼に対しては整復位での頚椎後方固定術を行い,顎関節に対しては菅原式人工顎関節全置換術を行うことにより,上気道の拡張を得ることができ,気管切開を閉鎖することができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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