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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床経験

2根障害をきたす特殊な腰椎椎間板ヘルニア―単一椎間板に生じた脊柱管内および椎間孔外ヘルニア合併例

著者: 種市洋1 鐙邦芳1 佐藤栄修1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.949 - P.954

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 抄録:腰椎椎間板ヘルニアで2根障害を呈する病態の一つとして,同一椎間における椎間孔外と脊柱管内ヘルニア合併例の診断と手術法を検討した.対象は3例で,2例は脊柱管内と椎間孔外に独立したヘルニア塊を合併した,いわゆる“double herniation”で,他の1例は脊柱管内から椎間孔外へいたるヘルニアであった.本症は,腰椎椎間板ヘルニア全手術例の0.9%,extreme lateral lumbar disc herniationの11.5%を占めた.症状の特徴は,連続する2根障害を呈し,2根それぞれの症状出現時期が異なることであった.画像診断では,CTやMRI横断像による椎間板全周にわたる観察がもっとも重要であった.手術は,正中アプローチを用い,内側開窓による脊柱管内操作に,椎間関節外側からの椎間孔外操作を組み合せたヘルニア摘出術が有用で,通常,椎間固定を要さない.本症は稀ではあるが,腰椎椎間板ヘルニアによる2根障害例の診断に際し,念頭に入れておくべき病態の一つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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