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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻8号

1994年08月発行

文献概要

臨床経験

大後頭孔前方に発生したdumbbell型神経鞘腫の1例―lateral approachの経験

著者: 村上英樹12 富田勝郎1 川原範夫1 高橋啓介1 鳥畠康充1 山口昌夫3

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室 2現:市立敦賀病院整形外科 3加賀八幡温泉病院

ページ範囲:P.955 - P.958

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 抄録:大後頭孔のdumbbell型神経鞘腫に対し,lateral approachを用いて全摘出しえたので報告する.症例は68歳,女性.歩行障害を主訴とした.MRIで脊髄前方に大後頭孔から上位頚椎に及ぶ腫瘍を認め,横断像からdumbbell tumorと診断した.脊髄は腫瘍により前方正中から後方に極めて強く圧排され扁平化していたため,手術はlateral approachにて行った.右半側臥位で外後頭隆起から左側頚部へ半弧状に切開し,C1の後弓,C2の椎弓,C3の椎弓片縁を片側切除し,硬膜外腫瘍を摘出した.次に硬膜側方を縦切し,硬膜内腫瘍を摘出した.脊髄が本症例のように圧排された場合にlateral approachは,他のapproachに比べて広い視野のもとで脊髄に対し最小限の侵襲で腫瘍を摘出できる.とくにdumbbell型のように側方に進展した腫瘍に対して有用な方法と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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