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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

論述

肩関節初回前方脱臼の二重CT関節造影所見について―反復性脱臼と比較して

著者: 鈴木克憲1 三浪明男1 高原政利1 金田清志1 福田公孝2 高橋修司3

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2北海道社会保険総合病院整形外科 3札幌北楡病院整形外科

ページ範囲:P.979 - P.983

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 抄録:外傷性肩関節初回前方脱臼から反復性脱臼への移行は,受傷時年齢の関与が大きいといわれている.今回の目的は,初回脱臼例に対して二重CT関節造影を施行し,関節内病変を明らかにすることである.対象は,初回脱臼例33例33肩,平均年齢は32.5歳,反復性脱臼は,45例46肩,平均年齢は24.9歳であった.初回脱臼は,受傷時から2週間以内に関節造影を施行した.30歳未満の初回脱臼の84%(16/19)に前下方関節上腕靱帯―関節唇複合体の破綻すなわちBankart lesionを認めた.これらの所見は,反復性脱臼の所見と類似していた.30歳以上の初回脱臼においては,肩峰下滑液包への造影剤の漏出,大結節部の骨折が43%(6/14)に認められ,腱板や関節包自体の断裂の存在を示唆していた.Bankart lesionを認めた例は29%(4/14)であった.整復後の内転・内旋位固定では,Bankart lesionの修復は得られず,不安定性を生じると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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