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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

論述

皮下に発生した軟部肉腫の治療経験

著者: 土谷一晃1 茂手木三男1 丸山優2 亀田典章3 蛭田啓之3

所属機関: 1東邦大学整形外科学教室 2東邦大学形成外科学教室 3東邦大学佐倉病院病理

ページ範囲:P.985 - P.990

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 抄録:1986年以降当科で取り扱った皮下発生の軟部肉腫について,治療上の問題点を中心に検討した.症例は,男性12例,女性5例,計17例,平均年齢は57.4歳で,病理組織型はMFH6例,線維肉腫4例などであり,発生部位は上肢8例,体幹6例,下肢3例であった.このうち,不適切な単純切除後の症例が13例あった.治療は13例に広範切除術を施行したが,4例は切・離断を余儀なくされた,切除例のうち9例にwide以上のmarginが確保でき,経過観察期間は平均3年10カ月で,13例がdisease freeであった.皮下発生の軟部肉腫の場合,不適切な切除後の追加広切例が多く,contaminationへの対応として,前医での手術操作などについての詳細な検討と,可能であれば広めの切除縁設定が望ましいと考えられた.また,切除範囲が広範な症例や切除後に骨・関節などが露出する症例が多く,有茎筋膜皮弁等による再建術の併用が,safety marginの確保や患肢機能の保持に有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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