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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・25

整形外科に関する興味ある言葉・その2

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.1020 - P.1021

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●cast(キャスト)
 “cast”には色々の意味があるが,鋳造物の意味があり,“plaster cast”はギブスやギプスのことである.“plaster”は石膏のことである.それが日常では,ただ“cast”として用いられている.日本語のギプスではドイツ語の“Gips”や“Gyps”に由来しており,その語源はラテン語の“石膏”や“石灰”を意味する“gypsum”(ギュプスム)である.さらにこのラテン語は,ギリシャ語の“gypsos”(ギプソス)に由来している.
 石膏は,古くエジプトのピラミッドの建設に利用されており,後に石灰岩は建築や彫刻にも古くから使われていた.石膏の成分は“calcium sulfate”(キャルスィアム・サルフェイト・硫酸カルシウム)であり,天然から2水塩の“CaSO4・2H2O”として産出される.フランスはパリ郊外のモンマルトル(Montmartre)の丘からは,昔から良質の石灰岩が産出されたので,石膏のことを“plaster of Paris”と呼び,石膏が医学に使われようになり,ギプスの別称にもなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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