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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

臨床経験

キアリ奇形を伴う脊髄円錐部空洞症の1例

著者: 鈴木禎寿12 鎌田修博1 松本隆志1 丸岩博文1 加藤満子1 牧田聡夫1 山中芳1

所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2現:小田原市立病院整形外科

ページ範囲:P.1025 - P.1028

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 抄録:キアリ奇形を伴う脊髄円錐部空洞症の1例を経験した.本例は下腿のしびれと腰背部緊満感を主訴としたが,筋力低下や知覚障害などの神経症状は認めなかった.外来でのMRIでTh10~Th12高位の空洞とキアリ奇形1型を認めた.経過観察中,下肢反射の亢進と体幹の不撓性が増強し,画像上も空洞の拡大を認めたため,手術に踏み切った.術中脊髄モニタリング下に顕微鏡下の愛護的な操作によりS-S shuntを施行した.術後体幹の不撓性は軽快し,下肢の反射も正常化した.術中操作による新たな神経脱落症状もなく良好に経過している.MRIの普及により症状の軽度な脊髄空洞症を発見する機会は増えると思われる.われわれはそのような例においても,症状の進行がみられれば術中脊髄モニタリングと顕微鏡下の操作を併用することにより安全な手術操作が行えるため,積極的に手術を行うべきと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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