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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

臨床経験

悪性骨腫瘍を思わせた一次性MRSA骨髄炎の1例

著者: 上原健治1 土屋弘行1 勝尾信一1 徳海裕史1 田地野崇宏1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1049 - P.1052

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 抄録:症例は14歳の男性で転倒後に右上腕部痛が出現した.受傷時X線上異常はなかったが症状は徐々に増悪し,4カ月後のX線写真では骨内部および周辺の不均一像,不連続な骨膜反応が認められた.アトピー性皮膚炎およびこれによる蜂窩織炎にしばしば罹患していた既往がある.入院時局所の圧痛と腫脹を認めたがESR 22mm/1時間,CRP 0.4g/dlと炎症所見は軽度であり,画像上周辺が不鮮明で内部不均一かつ周囲組織への進展が認められ,また,enhanced CTにて造影されたため悪性骨腫瘍を強く疑った.しかしT1(タリウム)シンチグラフィーでは淡い集積しか見られず,生検の結果が骨髄炎であったことより両者の鑑別にT1シンチグラフィーが有用と考えた.この骨髄炎の起炎菌はMRSAであり,蜂窩織炎に対する抗生剤の多用がその引き金になったと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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