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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻9号

1994年09月発行

文献概要

臨床経験

慢性腎不全患者に併発した大腿骨頭壊死の1症例

著者: 林健太郎1 土島秀樹1 岡田正人1 西島雄一郎1 東田紀彦1 山崎安朗

所属機関: 1金沢医科大学整形外科

ページ範囲:P.1081 - P.1085

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 抄録:我々は長期の血液透析患者に,臼蓋にも破壊を認める大腿骨頭壊死の1例を経験したので報告する.症例は48歳男性で,ステロイドの服用,アルコール愛飲歴,放射線治療の既往はなかった.1991(平成3)年7月頃より右股関節痛出現し,他医にて右大腿骨頭壊死と診断され経過観察されていた.1993(平成5)年9月当科紹介され入院した.日整会変股症判定基準では58点であった.血液生化学検査ではBUN,Creatinine,PTH,β2-microglobulinは著明に高値を示していた.単純X線では右股関節において大腿骨頭荷重部の陥没,関節裂隙の狭小化および臼蓋の骨壊死が認められた.手術はセメントレスTHRを施行した.病理組織学的所見として軟骨下組織の骨壊死像,Congo-red染色でアミロイド沈着を認めた.本症例は二次性上皮小体機能亢進症とアミロイド骨,関節症が本大腿骨頭壊死の発生に関与していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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