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歴史
著者: 伊藤鉄夫1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.827 - P.827
文献購入ページに移動大腿骨骨頭の人工骨頭による置換については,1943年にMooreの論文が発表されている(J. Bone and Joint Surg.,25:688,July 1943).これはmetal hip jointの1例報告であるが,大腿骨人工骨頭の最初の論文である.この頃に用いられた骨頭は,今のMoore型のものに比較すると,随分不細工なものであるが,Vitallium製であつた.1952年には,既に現在用いられているようなMoore型のVitallium prosthesisを33例に使用し,その成績がすぐれていることを発表した(Southern Medical Journal,45:1015,Nov. 1952).この論文にはDelbetが1919年にreinforced rubberで作つた人工骨頭を使用したということが記載されている.しかしMooreのこの論文はまだそれほど大きな世の反響をよばなかつた.それは発表された雑誌が広く読まれているものでなく,症例数も多くなかつたということによると思われる.
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