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臨床経験
Myotonic dystrophy—2症例の臨床・筋電図・筋生検所見
著者: 長谷川芳男1 高木俊男2 高浜晶彦2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科学教室 2東京慈恵会医科大学大学院
ページ範囲:P.164 - P.172
文献購入ページに移動Myotonic dystrophyは,Myopathyの中でも非常に特微ある臨床像を示すところから,各方面で注目されている(第1表).1909年Steinert1),1912年Crushmann4)が筋肉の硬直性疾患を代表するMyotonia congenita(Thomsen, J.5)1876年)と,筋肉の萎縮を主とするProgressive muscular dystrophyとを区別して以来,本症に特有な多彩な臨床像6-15)が次第に明らかにされてきた.本邦では大正5年横森の報告以来80例(田版16)1961年),正式な報告は30余例(森田17)1961年)といわれ,比較的稀な疾患18)〜20)とされていたが,最近ではかなりの報告例21)22)がある.とくに整形外科領域では南条23)24)が症例報告とともに詳細な文献的考察を発表している.しかし近年,電子顕微鏡の進歩により,筋肉の構造と機能の関連性の問題や,酵素学的,電気生理学的な検索が加わつて,この方面の研究は飛躍的に発展しようとしている25).最近われわれは本症の6例を経験したが,今回は臨床像・筋電図は勿論のこと,筋酵素の分析・電子顕微鏡像および神経終末像などの検索を行なつた例について報告する.
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