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シンポジウム いわゆる鞭打ち損傷
いわゆる鞭打ち損傷の発生機序ならびに病態
著者: 池田亀夫1 三谷哲史1 浅井博一
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.272 - P.277
文献購入ページに移動最近のめざましい交通機関の発達,特に自動車の激増にともない,交通外傷は増加の一途をたどつているが,中でもいわゆる鞭打ち損傷Whiplash injuryは,その特有の受傷機転と独特,複雑な経過で注目をあびている.
このWhiplash injuryという言葉は1928年,H. E. Croweが自動車事故の後,まつたく他覚的所見を伴わないにもかかわらず,治療に抵抗する頸部外傷の8例を"Whiplash injury of the neck"と呼称したのが初めであるが,その後,Gay & Abbott(1953)の報告以来,交通外傷の一つとして注目され,多数の報告が相次ぎ,医学的,社会的に多くの問題を提起しつつ今日に至つている.本邦では1958年飯野により紹介された.
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