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手術手技
主として大腿骨骨折後における膝関節伸展拘縮の手術
著者: 河野左宙1 堀田利雄1
所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.605 - P.612
文献購入ページに移動膝関節伸展拘縮は主として大腿骨骨折後に種々の原因で発生するが,近時,各種災害に起因した大腿骨骨折の増加に伴い膝関節伸展拘縮症例も増加している.
教室田中の大腿骨骨折441例についての調査では,膝関節の屈曲障害が認められたものが全症例の31.2%に達し,中でも直角まで屈曲できないものが21%を占めていた.一般に固定期間の長いものほど膝の伸展拘縮が発生しやすく,特に大腿骨下1/3部の骨折では固定期間とは無関係に膝関節の屈曲障害が高頻度にみられ,その約半数が直角まで屈曲できない結果となつている.このような障害の発生は,骨折に関連してある程度避け難いものとみなければならないが,負傷後1〜2年を経てなお直角以内の屈曲が不可能で,一定の角度で無痛発条性に屈曲が停止するような症例は,その後,非観血的に治療を重ねても,それ以上の可動性回復は期待できない.関節形成術により関節可動性の回復をはかる以外にないと考えられる.
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