icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科3巻7号

1968年07月発行

文献概要

手術手技

主として大腿骨骨折後における膝関節伸展拘縮の手術

著者: 河野左宙1 堀田利雄1

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.605 - P.612

文献購入ページに移動
いとぐち
 膝関節伸展拘縮は主として大腿骨骨折後に種々の原因で発生するが,近時,各種災害に起因した大腿骨骨折の増加に伴い膝関節伸展拘縮症例も増加している.
 教室田中の大腿骨骨折441例についての調査では,膝関節の屈曲障害が認められたものが全症例の31.2%に達し,中でも直角まで屈曲できないものが21%を占めていた.一般に固定期間の長いものほど膝の伸展拘縮が発生しやすく,特に大腿骨下1/3部の骨折では固定期間とは無関係に膝関節の屈曲障害が高頻度にみられ,その約半数が直角まで屈曲できない結果となつている.このような障害の発生は,骨折に関連してある程度避け難いものとみなければならないが,負傷後1〜2年を経てなお直角以内の屈曲が不可能で,一定の角度で無痛発条性に屈曲が停止するような症例は,その後,非観血的に治療を重ねても,それ以上の可動性回復は期待できない.関節形成術により関節可動性の回復をはかる以外にないと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら