論述
横断面作図法に基づく脊椎体のTrephine(Needle)Biopsy
著者:
竹光義治1
所属機関:
1九州大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.755 - P.765
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脊椎疾患の早期診断は今日の発達した臨床的,X線学的および生化学的技術によるも困難なる場合が稀ではない.四肢や表層の骨関節であれば,容易に生検を行なつて確定診断を下すことができるが,椎体の場合,これが重要臓器に囲まれていることから,生検はかなりの危険を伴うと考えられ,殊にopen biopsyでは侵襲も大きくなるため一般には適用されることも稀であつた.しかしながら,1935年Robertson & Ball17)らの発表以来needleおよびtrephine biopsyの方法が各種研究され実施されてきたが,一昨年Ottolenghi14)は935例に椎体のneedle biopsyを行なつた成績を発表し85%の成功率を収めている.
これまでの方法は18〜16ゲージの長い注射針を用い,注射筒で陰圧にしてaspirationで得た微量組織片を細胞診で,あるいは先端に鋸歯のあるtrephineで採取した小円柱状組織片を通常のパラフィン切片として染色し,組織学的診断に供しており.穿刺のために種々の簡単な器具が考案されている.