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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻1号

1995年01月発行

文献概要

臨床経験

坐骨神経内に発生したganglionの1症例

著者: 目昭仁12 小谷博信1 三木堯明1 千束福司1 原聖1 中川泰彰1 杉田光1 中川偉文1 関賢二1 上尾豊二1

所属機関: 1玉造厚生年金病院整形外科 2山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.67 - P.70

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 抄録:ganglionは,日常しばしば遭遇する軟部嚢腫様病変であるが,神経鞘内に発生するものは極めて稀である.今回われわれは,坐骨神経内に発生した1例を経験したので報告する.症例は37歳,男性.1993年2月頃,右殿部痛が出現,同年7月頃より右下肢しびれ感も伴うようになり当科を受診した.腰椎椎間板ヘルニアを疑い精査を行ったが,異常所見は認められず一時退院した.1994年1月症状が増悪したため再入院,その際,右殿部に3cm大の腫瘤に気付き,同腫瘤叩打にて右大腿外側および足背部へしびれ感・放散痛が認められた.MRIにて同腫瘤は,坐骨神経の走行に一致して存在していることがわかり,神経性腫瘍を疑い手術を施行した.手術時,坐骨神経と共通の被膜に包まれ,同神経を圧迫した嚢腫が確認できた.内部よりゼリー状物質が流出したためganglionと判定,これらを切開・排液しさらに被膜の可及的摘出を行った.術後下肢への放散痛は消失し,現在仕事へも復帰している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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