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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻1号

1995年01月発行

文献概要

臨床経験

脊髄髄内血管腫を合併したKlippel-Trenaunay症候群の1例

著者: 加藤満子12 丸岩博文1 山中芳1 松本隆志1 新井健1 日下部浩1 名倉武雄1 鎌田修博3

所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 3伊勢慶応病院整形外科

ページ範囲:P.75 - P.78

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 抄録:Klippel-Trenaunay症候群は,静脈瘤,色素性母斑,骨軟部組織の肥大延長などを主徴とする疾患である.本症候群は四肢に血管系異常を伴うが,脊髄髄内血管系異常の合併は稀である.今回われわれは,本症候群に脊髄髄内血管腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は23歳女性.20歳の時両下肢麻痺が出現し,翌年対麻痺となった.症状は改善したが,歩行障害,膀胱直腸障害が残存し当院に入院した.MRIや脊髄造影でTh6高位に髄内病変を認め,手術を施行した.脊髄は腫大し,境界明瞭な暗赤色の腫瘍を認めた,術中,モニタリングの電位が消失したため,部分摘出で手術を終了した.病理組織診断は血管腫であった.本症例は発症後3年で手術治療を行ったためか,良好な結果が得られなかった.本症候群に合併した髄内血管腫に対しては,発症後早期に手術治療を行うことが必要と考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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