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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻1号

1995年01月発行

文献概要

臨床経験

環軸椎間不安定症および後頭顆異形成を呈したDown症候群の1治験例

著者: 井上雅俊1 大西正康1 矢作龍二1 畑芳春1 池之上純男1 中川晃一1 大井利夫1

所属機関: 1上都賀総合病院整形外科

ページ範囲:P.83 - P.87

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 抄録:われわれは環軸椎間不安定症および後頭顆異形成のため斜頚と神経症状を呈したDown症候群に対し,Alligator plateを利用した後頭骨軸椎間後方固定術を行い良好な結果を得た,症例は5歳女児.神経症状としては軽度の排尿障害および深部腱反射の亢進を伴い,単純側面X線像および断層撮影では歯突起はos odontoideumを呈し,occipital condyleは異形成を示し後頭骨環椎関節面は扁平化していた.機能撮影では軽度の前屈にて環椎前弓は歯突起より8mmの前方偏位が見られ環軸椎間不安定症を呈していたが,後頭顆異形成による後頭骨環椎間不安定症は明らかでなかった.MRIでは環軸関節レベルで脊髄の前後からの圧迫所見が認められた.治療は腸骨からの移植骨とAlligator plateを用いた後頭骨軸椎間後方固定術を施行し,術後6カ月で移植骨と後頭骨,環椎,軸椎の癒合が見られ,斜頚および排尿障害もなく経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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