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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻10号

1995年10月発行

文献概要

論述

PCA人工股関節術後の臨床成績とステム側X線像の検討

著者: 三原久範1 蜂谷將史1 大成克弘1 藤井英世1 藤下彰彦1 大久保俊彦1 戸口淳1 久保実1 小倉一久1 平田雅裕1 田中幸一1 中村聡明1 山田勝久1

所属機関: 1横浜南共済病院整形外科

ページ範囲:P.1137 - P.1144

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 抄録:PCA人工股関節術後5年以上経過した末期変形性股関節症36例40関節の臨床症状とステム側X線像の変化を調査した.臨床成績は日整会変形性股関節症判定基準を用いて調査し,術前平均48.5点が調査時には平均93.6点に改善した.術後5年間にいわゆる“thigh pain”を訴えたものが11関節(27.5%)あった,X線像の調査では次の結果を得た.①3mm以上のステムのsinkingが生じたのは1例のみであった.②ステムの髄腔占拠率は正面像では近位・中間・先端の各部位で減少していたが,側面像の先端部では増加傾向にあった.③正面像でのアライメントは3~5未満の軽度の内・外反位が合わせて6関節で,その他は大腿骨軸に正確に挿入されていた、④側面像でのステムのアライメントを大腿骨骨皮質との接触状態により3型に分類した.近位・中間・先端の3点で接触しているtype Aが12関節(30.0%)を占めた.⑤radiopaque line出現頻度は術後3年まで増加し,側面像でステム先端の髄腔占拠率が低い関節ほど多く見られた.⑥atrophyも術後3年まで増加し,大腿骨近位部での発生率が高かった.髄腔占拠率との明らかな相関関係は認めなかった.⑦porous-coating部へ入り込む骨梁形成は,経時的に増加していた.⑧hypertrophyはステム先端部付近に出現し,側面アライメントでtype Aの関節に多く,これらの症例ではthigh pain発生率が高かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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