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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻10号

1995年10月発行

文献概要

臨床経験

関節内に伸筋腱矢状索が陥入した環指MP関節側副靱帯損傷の1例

著者: 西浦康正1 細谷俊彦1 大平孝之1 安藤祐之1 川島秀一1 伊藤恵康2

所属機関: 1総合太田病院整形外科 2慶友整形外科病院

ページ範囲:P.1183 - P.1186

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 抄録:症例は69歳の女性で,自転車でトラックと接触して転倒,受傷直後に当科を受診した.左手背は腫脹著明で,環・小指はMP関節で尺屈しており内転が不可能であった.環指の伸展は制限され,環指MP関節背側に著明な圧痛が見られた.単純X線像で指骨,中手骨に明らかな骨折・脱臼は認められなかったが,尺側へのストレスで環指MP関節に著明な動揺性を認めた.即日手術を施行し,環指MP関節を背側から展開した.皮下に中手骨骨頭が現れ伸筋腱は尺側に偏位しMP関節に伸筋腱矢状索が陥入していた.陥入した伸筋腱矢状索を整復すると,橈側に側副靱帯の断端が飛び出し,あたかも母指のMP関節尺側側副靱帯損傷のStener lesionのような病態を呈した.伸筋腱を縦切し,側副靱帯の修復を行った.術後経過は良好であった.矢状索の整復と共にMP関節の安定性の獲得のために側副靱帯の修復が必須で,観血的治療の絶対適応であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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