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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科30巻11号

1995年11月発行

雑誌目次

特別企画 阪神・淡路大震災―災害医療における整形外科医の役割

地震災害における整形外科医の役割

著者: 土井照夫

ページ範囲:P.1236 - P.1237

 阪神・淡路大震災からすでに半年,寒さに震えた被災地に酷暑の夏が到来し,暑さにあえぎながらも街の復興に努める方々の息づかいが感じられる.今,ちょうど,震災でなくなられた方々の初盆の時期,ここに改めて亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に,なお治療中の方々,障害に苦しんでいられる方々に心からお見舞い申し上げたい.
 未曾有の都市型災害であったともいわれる.被災地の方々の受けられた衝撃は計り知れないものがあったろう.しかし,それらの方々の救済・治療に当たるべきわれわれ医師サイドの受けた衝撃も,大きかった.そのひとつは,災害時,それぞれの医師がいかに行動すべきであったか,医師としてのあり方に対して突きつけられた刃の故であり,今ひとつは直面した震災外傷の特異性に由来するものであった.

阪神・淡路大震災から得た教訓―災害医学の立場から見た医療展開

著者: 太田宗夫

ページ範囲:P.1238 - P.1241

●はじめに
 散見する限り,阪神・淡路大震災における医療展開の全体的評価に高低を感ずる.すなわち,予期せぬ大災害だから止むを得なかった,医療者は最大限の努力を傾注した,等の限界論がある一方,より多くの人命を救えたはずだとする厳しい評価がある.
 災害医学の立場としては,「救うことができたはずの死者数」という世界的な基準を適応しながらクールに評価する責任がある.この点については逐次調査が行われるが,その結果はともかくとしても,既に浮上している問題点を冷静に受け止め,次の災害に備えなければならない.そこで本稿では,当日から現場に入るとともに後方支援を実施した救急医の立場と,災害医学の立場から,本災害から得た教訓を述べ参考に供する.

外傷の状況とその対応―被災地病院としての経験と問題

著者: 竹本勝一 ,   谷口暢章 ,   井上裕美子 ,   乾浩明 ,   横山裕志 ,   中村昌弘 ,   柴田信博 ,   山本秀樹

ページ範囲:P.1243 - P.1248

●はじめに
 未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災を,被災地の病院の一員として経験した.地震直後より数日間の当院の状況と対応について,災害時医療のキーポイントであるTriage,Transport,Treatment(3Ts)それぞれについて紹介し,問題と反省点について述べたい.

外傷の状況とその対応―被災地辺縁病院

著者: 東文造 ,   井澤一隆 ,   安原良典 ,   鈴木省三 ,   坂和明 ,   坂中秀樹 ,   和田英路 ,   吉田竹志 ,   井上雅裕 ,   大村宗久 ,   米延策雄

ページ範囲:P.1249 - P.1251

●はじめに
 今回の震災で震度7の烈震の地域は,神戸市から芦屋市・西宮市にわたる地域であった.それらの地域の病院では,家屋の倒壊により数多くのDOA(圧死,窒息死)が認められた.しかし関西労災病院のある尼崎市は,それらの地域からわずかに東にはずれ,病院周辺地域の家屋の倒壊もあまりなかった.事実,当院でのDOAは3名と非常に少なく,また病院自体の建物の損傷もあまりなかった.しかし,電気・水・ガスなどのいわゆるライフラインの途絶により,病院としての機能は地震と同時に停止した.被災地辺縁地域にある当院が,病院機能の停止の状態から徐々に回復していく過程を振り返ってみて,整形外科としての災害医療について考えてみた.

外傷の状況とその対応―被災地隣接地病院

著者: 古瀬洋一 ,   松田英樹 ,   林俊一 ,   原好延 ,   高山優 ,   一柳裕司 ,   北輝夫 ,   桑野吉浩 ,   仁田史人

ページ範囲:P.1253 - P.1256

●はじめに
 阪神・淡路大震災において当院は設備,機能ともに大きな被害を受けず,正常な機能を保つことができた.このため後方支援病院として兵庫県から多数の患者を受け入れた.震災時の当院の対応と患者の動向について報告する.

千里救命救急センターにおけるcrush syndrome症例の分析

著者: 浅井達哉

ページ範囲:P.1257 - P.1262

●はじめに
 今回の震災において当千里救命救急センターの果たした役割は,①医療システムの混乱した被災地の後方病院として重傷患者を引き受け,その救急管理をすること,②いったん転入した患者を適切な医療機関へと転出するという中継点としての役割の2点である.
 ①に関しては当センターが独自に現地へ派遣したDoctor carが,被災地の病院より直接患者を搬送した.②に関しては脊髄損傷などが含まれる.

Crush syndromeとCompartment syndrome

著者: 山野慶樹

ページ範囲:P.1263 - P.1270

●はじめに
 第2次大戦中,ロンドン爆撃により家屋などの下敷になった人々の中で強い下肢の腫脹,ショック,ミオグロビン尿と腎障害を来した例がcrush injuriesとして1941年に報告された2,7).これはのちにcrush syndromeと名付けられ,局所の損傷を示すcrush injuryと分けられた10).その後,地震による家屋崩壊,炭坑などの労災,交通事故などの大きな外傷以外に,麻酔下のknee-chest肢位やまた,バルビタール中毒による長時間の圧迫でも起こることが報告されている12)
 近年のcrush syndrome概念では,直達外力による筋の挫滅や長時間の圧迫,compartment symdromeなどによる筋の壊死から来る全身症状で,haemodynamicとmetabolic disturbanceに急性腎不全を伴ったものと考えられている6,9).今回の阪神・淡路大震災で,われわれの経験した症例を中心に,ここではcrush symdromeならびにこれを発症させる外傷につき,われわれの見解を述べる.

上下肢麻痺について―(脊髄損傷を除く)

著者: 吉田竹志 ,   米延策雄 ,   大村宗久 ,   井上雅裕 ,   東文造 ,   坂中秀樹 ,   和田英路 ,   鈴木省三 ,   坂和明 ,   安原良典 ,   井澤一隆 ,   植村和司

ページ範囲:P.1271 - P.1276

●はじめに
 今回の阪神・淡路大震災において,われわれは被災患者の後送病院としての役割を担い,この災害に特徴的と思われる四肢の麻痺患者を多数経験した.これらの患者の中で脊髄損傷を除く麻痺症例を検討し,報告する.

脊椎・脊髄損傷について

著者: 金澤淳則 ,   奥田真也 ,   川上秀夫 ,   大野光繁 ,   小島伸三郎

ページ範囲:P.1277 - P.1280

●はじめに
 都市部における,直下型地震の特徴的外傷の1つに脊椎損傷がある.過去にみられた同様の地震(Tangshan earthquake,中国)においても,これが多発したとされる1).この度の阪神・淡路大震災でも,その例にもれず脊椎損傷が多数発生したが,いずれもその詳細は不明である.今回,大阪大学関連施設での脊椎・脊髄損傷を分析し,地震災害における脊椎外傷の特徴と治療指針について検討した.

阪神・淡路大震災にまなぶ

被災地の後方病院における管理者として考えたこと―問題点,反省事項および今後への提言

著者: 片岡治

ページ範囲:P.1281 - P.1287

はじめに
 今回の気象庁呼称の兵庫県南部地震でマグニチュード7.2,震度7を記録した激震地帯は,西は当院の所在する神戸市須磨区から東は筆者の居住する西宮市西部までに至る,長さ22キロメートル幅2キロメートルの帯状地帯であったと報道されている1)(図1).当院は須磨区の六甲山系西端北部の海抜100メートル余のニュータウンの中心に位置するため,甚大な被害と火災の発生した六甲山系南部の神戸市,芦屋市,西宮市とは別天地の差があり,周辺には家屋の倒壊はほとんどなく,ライフラインは3時間余の停電と一時的な断水のみでほぼ確保され,同じ須磨区でも被害の大きかった南部地区とは全てにわたり別条件の状態であった.病院の被害は,建物では増設部分のジョイントの離開など,備品では4階以上の病棟内の医療機器の破損など,多少の被害はあったが,診療機能上の影響は軽微であった.通電しても稼働しなかったエレベーターも当日午後4時には復旧した.また,幸い入院中の患者にも勤務中の職員にも人的被害はなかった.したがって,当院の医療機関としての置かれた立場は,Phase-0およびPhase-1の時間帯で災害現場での医療を担当した施設ではなく,被災地域内における後方病院と位置づけられる2,3)(表1).
 当院の初期救急患者の受入れ状況は,地震後に最初の患者が受診したのは発生後約30分の6時20分頃であった.

被災地の民間病院に起こったこと

著者: 荻原一輝

ページ範囲:P.1289 - P.1292

はじめに
 あの日,1月17日の「阪神・淡路大震災」から半年以上すぎている.その時の状況は何と言っても「テレビ」で,その後しばらくして週刊誌,その他の特集号がそれこそ「雨後の筍」のように沢山出てきて報道された.その後「オウム」の話が特に東京を中心に華やかだったが,その間を縫って,医学関係で学会や雑誌,関係新聞等に医療従事者からのまとまった報告が見られている.「屋上屋を重ねる」ことになるかと恐れながら,「民間病院」の立場とそこで考えていたことを記してみる.

自己完結型支援による保健医療チームの活動

著者: 大森薫雄

ページ範囲:P.1293 - P.1295

はじめに
 平成7年1月17日未明に起きた兵庫県南部地震による災害は,死者約5,500人,負傷者41,500人にのぼり,日本の戦後災害史上最大の大惨事となった.
 神奈川県では,この阪神・淡路大震災に対していち早く医師,看護婦,保健婦などからなる保健医療チームを編成し,1月25日から4月1日までの65日間,10チーム,延べ141人(医師18人,看護婦24人,保健婦34人,ケースワーカー6人,事務35人,運転手24人)を被害の最も甚大であった神戸市長田区に派遣し,常設診療所を開設して保健医療活動を行った。延べ診療患者数は1,918名で保健婦による訪問相談件数941件,保健教育件数237件であったが,その概略を報告する.

被災地における巡回リハビリテーションチームの活動に参加して

著者: 神沢信行 ,   兵庫県理学療法士会

ページ範囲:P.1297 - P.1300

 阪神・淡路大震災で亡くなった5,500人を越える方々のご冥福をお祈りいたしますとともに,被災された多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます.

災害訓練・米国での訓練と教育

著者: 木村専太郎

ページ範囲:P.1301 - P.1304

はじめに
 平成7年1月17日の阪神・淡路大震災と同年3月20日の東京地下鉄サリン事件の教訓から,国内における集団災害に対する関心が高まり,救急医療態勢を再編成する動きがあることは,非常に良いことである.
 筆者は昭和40年から昭和55年の16年間に3度渡米して,12年間住んだことがある.その間に5年間の外科臨床トレーニングを終え,外科専門医試験であるボード試験に合格し,アイオワ大学と国立ベテランズ病院外科のスタッフとして勤務し,さらに昭和53年後半から昭和55年未までの2年半,米国で外科を開業し,救急医療に従事していた.

論述

Colles骨折後の晩発性手根管症候群

著者: 谷口泰徳 ,   野村和教 ,   岩崎博 ,   峠康 ,   玉置哲也

ページ範囲:P.1307 - P.1312

 抄録:Colles骨折後に手根管症候群を発症した10例を対象とし検討を加えた,症例は男2例,女8例,手根管症候群の発症時年齢は39歳~91歳,平均62.2歳であった.Colles骨折後から手根管症候群発症までの期間は,受傷後13年後に発症した特異な1例を除く9例では2ヵ月から6ヵ月,平均3.6ヵ月であった.また健側には時々シビレ感を自覚していた3例が含まれていた.手根管症候群発症時の手関節X線像のpalmar tiltは-40°~16°(平均-11.7±14.6°),radiolunate angleは-30°~18°(平均-9.7±15.4°)で,これらのうち7例では負の値を示しておりDISI変形と判定されるべきものであった.病理組織像は特発例と同様の組織学的所見であった.Colles骨折後の晩発性手根管症候群の発現は橈骨末端骨折の変形治癒,手根骨配列の二次的変化,特発性発症の要因などが関与し正中神経障害が起こると考えられた.

下腿遠位端骨折の治療成績―pilon骨折と不安定型果部骨折との比較

著者: 保田雅憲 ,   宮津誠 ,   小沢一広 ,   寺西正 ,   浜口英寿

ページ範囲:P.1313 - P.1321

 抄録:過去9年間の下腿遠位端骨折手術例のうち,pilon骨折17例19骨折と不安定型果部骨折21例21骨折の治療成績を検討した.直達外力や回旋力での受傷は果部骨折群に多く,pilon骨折群は転落による受傷が多かった.果部骨折群はAOグループの治療方針に準じて治療すれば,全例で解剖学的整復が得られた.pilon骨折群でもAO B骨折,Rüedi I II骨折ではほぼ良好な治療成績が得られたが,荷重軟骨面の損傷が重度のAO C骨折やRüedi III骨折では,軟骨破壊が成績を悪くしていた.

整形外科英語ア・ラ・カルト・38

比較的よく使う整形外科用語・その5

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.1322 - P.1323

●calcar(カルカー)
 これは大腿骨頚部の内側下部にある骨の厚くなった部分を指し,“os calcar femorale”と呼ばれている.頚部骨折の場合で人工骨頭を挿入するとき,このカルカーの部分は体重を支え,人工骨頭がめり込まない役目をする重要な部分である.J. B. Lippincott Co.の“Orthopaedic Dictionary”によると,この“calcar”という命名は,北部ベルギーに住むフランダース人(Flemish)の医師によるもので,ラテン語の鶏の後ろの爪で距(ケヅメ)を意味する“calcar”に因んでいるという.

基礎知識/知ってるつもり

Anterolateral Rotatory Instability(ALRI)

著者: 守屋秀繁

ページ範囲:P.1324 - P.1325

 【不安定性のメカニズム】
 膝の不安定性は2つに分類できる.単一平面上の不安定性と,回旋不安定性である.前者には,内・外反不安定性と前方・後方不安定性が含まれ,ここで述べるanterolateral rotatory instability(以下ALRIと略す)は後者に含まれる.
 膝の回旋軸は主として後十字靱帯(以下PCL)により規定されており,関節周辺の靱帯損傷により様々な方向の回旋可動域が拡大される.ALRIとはこの可動域拡大のうち,脛骨外側顆が前方に回旋することを指している.

臨床経験

強直性脊椎骨増殖症患者の頚椎前方骨棘形成により嚥下困難を来した一症例

著者: 陣内均 ,   尾崎琢磨 ,   土井田稔 ,   原田俊彦 ,   水野耕作

ページ範囲:P.1327 - P.1330

 抄録:強直性脊椎骨増殖症(Ankylosing Spinal Hyperostosis;ASH)における頚椎前方骨棘により嚥下困難を来した症例を経験した.
 症例は65歳の男性でC3椎体前方の巨大な骨棘形成を認め,これが原因と思われる嚥下困難を訴えていた.骨棘の部分切除を行い,術後数日で固形物の嚥下困難がほぼ消失した.

長母趾屈筋腱皮下断裂の1例

著者: 井上林 ,   湯浅勝則 ,   笹木勇人

ページ範囲:P.1331 - P.1334

 抄録:私たちは最近,スキーによる長母趾屈筋腱皮下断裂のまれな1例を経験した.症例は31歳,男性.1994(平成6)年1月,スキーをしていて左へターンした際,右母趾に痛みを覚え,以後,右母趾IP関節自動屈曲不能となった.長母趾屈筋腱皮下断裂の疑いで,受傷後11日目に手術を施行した.長母趾屈筋腱は第一中足骨骨頭部種子骨に挟まれた部分で変性断裂しており,端端縫合は不可能であったため,長掌筋腱を用いた遊離腱移植術を施行した.術後,移植腱の癒着のためか,IP関節の自動屈曲角度に制限を認めるが,母趾の踏み込みにも十分力がはいり,ADL上,全く支障は認められない.

乾燥同種大腿筋膜による補強を併用した陳旧性アキレス腱断裂再建術の1例

著者: 中村吉秀 ,   末綱太 ,   戸館克彦 ,   油川修一 ,   三浦和知 ,   任幹夫

ページ範囲:P.1335 - P.1338

 抄録:症例は73歳,女性.1994(平成6)年2月22日,転倒受傷,同年4月7日,右アキレス腱部痛,歩行困難を訴え当科受診した.陳旧性アキレス腱断裂と診断し,4月18日全身麻酔下に腱再建術を行った.断裂部に約5cmの間隙を認めた.幅1cm,長さ8cmのフラップを起こし,乾燥同種大腿筋膜で,腱再建部を全周性に被覆した.10週目より装具除去し,T杖歩行にて退院した.術後9ヵ月では可動域良好,運動時痛,歩行時痛もなく,つま先立ちも可能であった.腱と皮下組織との癒着も認めない.アキレス腱断裂は退行変性が背景にある場合も多く,特に高齢者においては加齢変化は免れ得ない.今回,陳旧性断裂に対しフラップを起こし再建したが,その強度・容積ともに十分とはいい難かった.同種大腿筋膜は組織学的に自家組織への再構築が証明されており,自家組織の使用にあたっては,採取部の組織的,機能的欠損は免れ得ない.本例のような症例においては積極的に使用してよいものと考える.

化膿性筋炎7例の治療経験

著者: 高桑巧 ,   末松典明 ,   菅原修 ,   猪川輪哉 ,   岡哲夫 ,   辻宗啓 ,   佐藤淳

ページ範囲:P.1339 - P.1342

 抄録:筆者らは過去8年間に7例の化膿性筋炎を加療する機会を得たので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は1987年9月から1994年9月までに化膿性筋炎により当科にて加療した7例で男性4例,女性3例,平均年齢38歳であった.部位は腸腰筋2例,大腿部2例,傍脊柱筋1例,三角筋1例,前経骨筋1例で,起炎菌はMRSA 1例を含めるとStaphylococcus aureusが3例と最も多かった.免疫能低下をきたす基礎疾患を有するものは4例と半数以上で,打撲や虫刺されといった外傷歴を有するものも4例と半数以上みられ,これらと発症との関連性が示唆された.診断にはMRI,エコー下穿刺が有効と考えられるが,なによりも,化膿性筋炎の存在を念頭に置くことが重要であると考えられる.

体験記

平成6年度AOA Travelling Fellowship体験記

著者: 内藤正俊

ページ範囲:P.1305 - P.1306

 一昨年夏,教室の緒方主任教授のご推薦を頂き、日本整形外科学会(日整会)の平成6年度AOA Travelling Fellowshipへ応募した.同年暮れ,国際委員会は木次敏明先生(京都大),西山和男(都立清瀬小児病院),斎藤覚先生(信州大),八木和徳先生(手稲渓仁会病院)の4名とともに私を平成6年度AAOSへのAOA Travelling Fellowshipに選抜したとの嬉しい通知(平成5年11月29日)を受けた.
 昨年6月と8月,今回が第1回目となるgroup tourのプランとが送付され,Travelling Fellowshipへの準備がスタートした.昨年10月,日整会委員会の竹光教授に第8回日整会基礎学術集会開催期間中にFellowsの顔合せを兼ねた昼食会を開催していただいた.席上,教授よりgroup tour,individual tour,国際委員会からの要望などにつき懇切丁寧な説明を聞き,視察旅行への心構えが固まった.爾来,出発までに5名それぞれindividual tourを決めることになった.私の場合はORSに参加するため2月11日に出発することにしたので,AAOS,group tourを含めると約4週間の出張となった.準備不足のため3月下句の仕事の遣り繰りに失敗し,individual tourを全て断念した.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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