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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻11号

1995年11月発行

文献概要

論述

Colles骨折後の晩発性手根管症候群

著者: 谷口泰徳1 野村和教1 岩崎博1 峠康1 玉置哲也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1307 - P.1312

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 抄録:Colles骨折後に手根管症候群を発症した10例を対象とし検討を加えた,症例は男2例,女8例,手根管症候群の発症時年齢は39歳~91歳,平均62.2歳であった.Colles骨折後から手根管症候群発症までの期間は,受傷後13年後に発症した特異な1例を除く9例では2ヵ月から6ヵ月,平均3.6ヵ月であった.また健側には時々シビレ感を自覚していた3例が含まれていた.手根管症候群発症時の手関節X線像のpalmar tiltは-40°~16°(平均-11.7±14.6°),radiolunate angleは-30°~18°(平均-9.7±15.4°)で,これらのうち7例では負の値を示しておりDISI変形と判定されるべきものであった.病理組織像は特発例と同様の組織学的所見であった.Colles骨折後の晩発性手根管症候群の発現は橈骨末端骨折の変形治癒,手根骨配列の二次的変化,特発性発症の要因などが関与し正中神経障害が起こると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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