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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻12号

1995年12月発行

文献概要

論述

先天性側弯症における非手術例の検討―脊柱バランス,半椎の自然経過,変形進行の危険因子について

著者: 舟崎裕記1 司馬立1 林克章1 曽雌茂1 伊室貴1 室田景久1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科

ページ範囲:P.1361 - P.1368

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 抄録:先天性側弯症の非手術例について,脊柱バランス,奇形椎の自然経過,さらに変形進行の危険因子などについて検討した.その結果,本症では,decompensationや両肩の高さの不均衡などの前額面バランスのみならず,矢状面変形の異常をきたす症例も多く認められた.奇形椎別にみた変形の進行様相は諸家の報告とほぼ同様の結果が得られたが,単独のhemivertebraをもつものでは,初診時骨年齢とCobb角,さらに外側化などに進行との関係が認められた.また,hemivertebraの分離状態が経年的に癒合していく症例も多く認められた.腰椎部発生のhemivertebraは骨成熟後に変形が50°以内に止まっても凹側の骨棘形成を呈し,腰痛を訴える症例も認められた.本症の手術療法の適応に関しては,側弯の進行に関するいくつかの危険因子のみならず,脊柱バランスの不均衡や臨床症状の発現に対する考慮が必要で,特にhemivertebraに対して注意を払う必要があるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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