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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻12号

1995年12月発行

文献概要

論述

軟部肉腫における化学療法の意義―単独施設における14年間の症例の検討

著者: 松本誠一1 川口智義1 真鍋淳1 黒田浩司1 下地尚1 古屋光太郎2

所属機関: 1癌研病院整形外科 2東京医科歯科大学整形外科

ページ範囲:P.1377 - P.1382

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 抄録:根治的広切法の概念にのっとり,原発巣を手術した軟部肉腫の化学療法効果を検討した.症例は,1978~1990年に癌研病院にて手術した260例であり,主な組織型は,MFH:73例,脂肪肉腫:49例,滑膜肉腫:26例などである.化学療法の内訳は,術前療法:47例,術後補助化療:94例,転移に対する化学療法:71例である.使用薬剤は,横紋筋肉腫や円形細胞肉腫ではVAC療法,その他の肉腫では,CYVADIC療法を基本とした.その結果,術前化学療法単独での原発巣に対する有効率は34%であった.M0N0の21例では,術前化療有効群の生存率は7/7であり,無効群の11/14に比較して優れていた.術後補助化療では,MFHは化学療法の有無にかかわらず生存率:80%であり,補助化学療法の意義は低かった,円形細胞肉腫,横紋筋肉腫,単相型の滑膜肉腫,高悪性の脂肪肉腫は,補助化学療法の良い適応であった.転移に対する化学療法では,有効率:11%,CRは2例にすぎず,化学療法単独の効果は限られていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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