icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻12号

1995年12月発行

文献概要

臨床経験

頚髄脂肪腫の1例

著者: 仲俣岳晴1 四方實彦1 多田弘史1 清水和也1 田中千晶1 戸口田淳也1 高橋真1 長谷部啓司1

所属機関: 1京都市立病院整形外科

ページ範囲:P.1429 - P.1432

文献購入ページに移動
 抄録:34歳男性に生じた頚髄脂肪腫に対し,CUSAを用いた可及的切除を行い,症状の改善が得られた.主訴は項部痛および両上肢への放散痛で,外傷を契機に発症した.MRI,CTMにてC5,C6レベルの脊髄背側に脂肪腫に特徴的な像を認め,術前診断が可能であった.強い疼痛に比し,神経学的には四肢腱反射の軽度亢進と左下腿の軽度知覚低下を認めるのみであった,術後一過性に四肢知覚低下および膀胱直腸障害を来したが,その後比較的速やかに回復し,上肢への放散痛も消失した.脊髄脂肪腫は全脊髄腫瘍の約1%と報告されているように比較的稀な疾患である.これらの多くは脊髄背側の軟膜下に存在し,腫瘍腹側では脊髄との境界が不明瞭となっている.手術的治療については,椎弓切除による除圧のみにとどめるべきとの考え方もあるが,近年ではCUSAやLaserの開発により,積極的かつ愛護的な切除を行うことも可能となってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら