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論述
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抄録:Smith C型,D型の小児上腕骨顆上骨折46例に対して行った治療成績を報告した.最終的な肘関節屈曲伸展可動域は良好な成績が得られた.15°以上の内反肘は,6例に認められた.整復時のBaumann角と経過観察時のcarrying angleに明らかな相関があり,内反肘の原因は整復不良によるものと考えられた.徒手整復後ギプス固定群:13例,羽付き骨スジによる牽引群:21例,徒手整復後経皮ピンニング群:12例の3群の治療法別の成績をみると,ギプス固定群と骨スジ牽引群では,整復位の獲得,あるいはその保持が困難な例が多く,各々,46%,57%の症例が,経皮ピンニングあるいは観血的骨接合に治療を変更した.経皮ピンニング群では92%が治療法を変更することなく治癒した.これら3種類の治療方法の中で侵襲が少なく信頼性の高い方法は経皮ピンニング法であったが,本法においても内反肘が13%(2例)に認められた.
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