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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻2号

1995年02月発行

文献概要

シンポジウム 機能的電気刺激(FES)の理論と実際

FESの適応と限界

著者: 市江雅芳1

所属機関: 1北陵クリニック

ページ範囲:P.183 - P.192

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 抄録:頚髄損傷の麻痺上肢に対する機能的電気刺激(FES)では,C4~C6完全四肢麻痺の,食事・書字・整容動作などの制御が実現している.麻痺レベルが下位になるほど,制御対象部位が少なくなるため,実用性が高くなる.片麻痺の上肢FESでは,補助手レベルの動作再建が可能である.下肢のFESでは,C6完全四肢麻痺のトランスファー補助,C8完全四肢麻痺および完全対麻痺での起立制御が実現している.片麻痺の下肢では,尖足矯正のFESが行われている.脊髄損傷の場合は,前角細胞障害により電気刺激に反応しないdead bandと呼ばれる部位が,FESでの動作再建に大きな影響を及ぼしている.主要な筋が電気刺激に反応しない場合は,腱移行術等とFESとを組み合わせた,総合的な動作再建が必要となる.また,不全麻痺肢の動作改善や完全麻痺肢の機能維持を目的とした治療的電気刺激(TES)も効果をあげており,今後のリハビリテーションの有力な治療法となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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