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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻2号

1995年02月発行

文献概要

臨床経験

胸椎に発生した脊索腫の1例

著者: 久田原郁夫1 大和田哲雄1 大河内敏行1 山本利美雄1 小林晏2

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪厚生年金病院病理検査科

ページ範囲:P.211 - P.215

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 抄録:稀な第11胸椎発生の脊索腫の1例を報告する.症例は60歳,男性で腰痛と両足のしびれで発症した.脊髄腔造影では完全ブロックを示し,CTでは脊柱管周囲より椎体後部,椎弓根にかけて骨破壊像がみられた.診断は画像のみでは不可能で免疫組織化学染色を含めた組織学的検索によった.治療は後方進入により腫瘍病巣内切除,腓骨移植,Roy-Cammille plateによる固定術を施行した.術後,補助療法としてシスプラチン,アドリアマイシンなどの多剤併用による化学療法を施行した.4年後に局所再発による両下肢痙性麻痺を示したため,再手術を行い,術後化学療法を施行したが5カ月後に2回目の再発を起こした.50Gyの放射線療法を施行したが無効で麻痺が進行した.麻痺に対してはステロイドホルモンが有効で腫瘍体積の縮小も得られた.初回手術後5年9カ月後の現在,再発腫瘍が存在しているが遠隔転移はなく生存中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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