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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻3号

1995年03月発行

文献概要

論述

大型床反力計による変形性膝関節症患者の歩行分析

著者: 島田克博1 鈴木三夫1 脇坂匠1 王東1 山崎信寿2

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科 2慶應義塾大学理工学部

ページ範囲:P.231 - P.238

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 抄録:変形性膝関節症76例に対し大型床反力計を用いた多数歩連続自由歩行による歩行分析を行い,その歩行特性について検討した.床反力波形では左右方向の外向き反力を示す初期の波形のピークが不明瞭で,その後の内向き反力を示す波高が増大するのが特徴であった.時間距離因子では歩速,歩調の減少が顕著となる.歩容因子ではすべての因子が悪くなり,特に動揺性は著しく大きくなる.これらの歩行評価と臨床,X線評価との関係では,臨床評価点数の減少とFTAの増大とともに歩速は減少し,各歩容因子は悪化していく.各歩容因子のうち円滑性は他の因子と比較して臨床評価点数,FTAともに高い相関がみられた.これらの結果から変形性膝関節症患者の歩行は,時間距離因子では歩速が,歩容因子では円滑性,動揺性がその特性のよいパラメーターとなり,疼痛,下肢アライメントによって強く影響を受けていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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