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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻3号

1995年03月発行

文献概要

臨床経験

L5単根障害を呈したL1-2椎間板ヘルニア

著者: 松川悟12 白土修3 渋谷全彦1

所属機関: 1倶知安厚生病院整形外科 2北海道大学医学部第2病理 3北海道大学医学部附属病院理学療法部

ページ範囲:P.313 - P.316

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 抄録:坐骨神経痛を主訴とし,神経学的にはL5単根性障害を呈した第1-2腰椎椎間板ヘルニアの稀な1例を経験した.67歳の女性で,急激に発症した左下腿外側痛で来院した.入院後,MRI,脊髄腔造影,CT-Myelography等の所見から,L1-2およびL5-S1外側椎間板ヘルニアが疑われた.L5単根性障害およびSLR陽性などの所見よりL5-S1外側ヘルニアの方が,より責任病巣の可能性が高いと判断しL5神経根除圧術を行った.しかし,症状の改善はなかった.2週後L1-2椎間板ヘルニアに対して前方よりヘルニア摘出と前方固定術を行い症状は全く消失した.この症例では脊髄末端がL2椎体下縁と通常よりも尾側にあり,L1-2レベルはほぼ脊髄円錐上部に相当し,またヘルニアは左側寄りではあるが,ほぼ正中に突出していた.このためL5髄節からL5神経根が分岐した付近で,ヘルニアによる圧迫が選択的に生じ,L5神経根症状が生じ,また上位腰髄神経根障害を呈さなかったのではないかと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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