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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻3号

1995年03月発行

文献概要

臨床経験

母指MP関節ロッキングの8例

著者: 室賀陽子1 鈴木正孝1 佐久間雅之1 牧野仁美2

所属機関: 1東海病院整形外科 2中部病院

ページ範囲:P.317 - P.320

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 抄録:母指MP関節ロッキングは若年者に好発する比較的稀な過伸展損傷である.われわれは最近4年間に8例を経験した.1例は徒手整復可能であった.残りの7例は徒手整復不能で,6例では観血的に副靱帯を切離して嵌入した掌側板を整復し,1例は関節鏡視下に掌側板の一部と思われる部分を鈍棒で掌側へ押し出すことにより整復した,鏡視下整復は不必要な侵襲を避け,治癒までの期間を短縮できる有効な方法であると思われた.本症の病態について確証が得られにくいのは術野を展開中に副靱帯を切離した時点で自動的に原因が除かれ整復されてしまい,術中所見がつかみ難いためである.またその特異的な病態より通常の牽引と屈曲による徒手整復法は適切ではなく.基節骨基部に軸圧を加え中手骨骨頭関節面に沿ってそれを背側から掌側へ滑らせるという方法が有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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