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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻3号

1995年03月発行

文献概要

臨床経験

ステム先端部の大腿骨骨折を伴った人工股関節のゆるみに対し骨接合と再置換術を行った2例

著者: 渡部亘1 佐藤光三1 斉藤晴樹1 岡田恭司1

所属機関: 1秋田大学整形外科学教室

ページ範囲:P.329 - P.332

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 抄録:人工股関節全置換術後,ステム周囲のゆるみとステム先端部の骨折をきたし,骨折部の内固定とロングステムによる再置換を施行した2例を経験した.症例1では皮質骨が比較的残存しており,AOダイナミック コンプレッションプレートで固定可能であった.対側もゆるみがあり,支持脚とならないため,早期荷重を確実にするためセメントを使用した.術後2カ月で仮骨を認め歩行を開始した.術後5年の時点では疼痛もなく骨折部のリモデリングも良好であった.症例2では,残存する皮質骨が極めて薄く,AOプレートによる固定は不可能であり,また,セメントの保持にも不十分な強度と思われた.対側股関節が骨性強直となっており支持脚として十分期待でき,患側の長期の免荷が可能であったので,髄内に大量の骨移植を行いセメントレスのロングステムで置換した.骨折部にはon lay graftを行い,Mennen plateとソフトワイヤーで保持した.術後3カ月で骨折部の骨癒合を確認し,術後5カ月より2本杖での歩行が可能になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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