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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)

Chiari奇形に対する手術例の検討

著者: 伊藤淳二1 原田征行1 植山和正1 佐藤隆弘1 三戸明夫1 田偉1 鈴木重晴2

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科 2弘前大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.367 - P.371

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 抄録:Chiari奇形を合併する脊髄空洞症の手術例30例について検討した.術式は後頭下減圧術のみ3例,シャント術のみ4例,両者併用群が23例であった.術後の症状は21例(70.0%)で改善した.脳神経症状は術前21例(70.0%)に存在し,7例(33.3%)が改善したのみであったが,顔面知覚異常は12例中6例(50.0%)が改善した.両者併用群では23例中17例(73.9%)が改善し,脊髄に不可逆性変化が起こる前に手術することが肝要である.後頭下減圧術では術後のクモ膜炎を起こさないことが重要であり,骨性除圧ないし硬膜処置にとどめる.シャント術は本症には侵襲の少ない空洞-クモ膜下腔シャント術(syringo-subarachnoid shunt)が空洞縮小に有用であるが,シャント不全の可能性があり,原因治療とされる後頭下減圧術の併用が望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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