icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)

Os odontoideumによる環軸関節脱臼

著者: 石井祐信1 田中靖久1 佐藤純1 山崎伸1 両角直樹1 本田雅人1 上原昌義1 国分正一2

所属機関: 1国立療養所西多賀病院整形外科 2東北大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.381 - P.386

文献概要

 抄録:os odontoideumによる環軸関節脱臼手術例20例を整復群(7例)と非整復群(13例)に分け,臨床像,X線像,手術成績の相違について検討した.ダウン症候群が5例あり,いずれも小児例で非整復群であった.軽微な外傷の既往が8例にあった.手術の理由は脊髄症12例,一過性四肢麻痺3例,疼痛3例,手のしびれ,脊髄不全損傷各1例であった.非整復性脱臼例で有意にSACが小さく,C1-C2角が小さかった.断層X線像で環軸関節の前方の骨棘とinterlockingが整復障害因子と考えられた.整復性脱臼例と非整復性脱臼であってもSACが14mm以上ある例はMagerl法+Brooks法によるC1-C2固定,他の非整復性脱臼例は後方除圧と,O-C固定のNewman法で安定した成績が得られた.手術合併症は,Brooks法でC2椎弓の骨折と整復の戻りによる脊髄不全麻痺が1例,Newman法で術後硬膜外血腫が1例に生じた.脊髄症状がある症例,脊髄症状の既往を有する脱臼例は手術適応がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら