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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)

ダウン症候群児の環軸椎脱臼と麻痺の発生

著者: 内山政二1 石川誠一1 佐藤慎二1 本間隆夫1 高橋栄明1 新田初美2

所属機関: 1新潟大学整形外科 2新潟県立はまぐみ小児療育センター

ページ範囲:P.417 - P.420

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 抄録:ダウン症候群では環軸椎脱臼が高頻度でみられるが,実際に麻痺を生じる例は少ない.本症児の頚椎X線所見から麻痺発生の危険性の高い例を選別可能か否か検討した.環軸椎脱臼は116例中25例(21.6%)にみられた.脱臼25例のうち麻痺を生じたものは2例のみであった.ADIは麻痺例では7mmおよび8mmであり,非麻痺23例では4~7mmであった.環椎最小脊柱管前後径(SAC)は麻痺例では5mmおよび7mmと著しく狭く,非麻痺例では10~15mmであった.したがってSACに注目すれば.単純X線写真といえども麻痺発生の危険性の高い例の選別に有用である.本症では靱帯弛緩により高頻度に環軸椎脱臼が起こるが,それが麻痺に直結するものではない.麻痺の発生には靱帯弛緩に加えて,環椎脊柱管のdevelopmental stenosisや歯突起形成異常など環軸椎部全体の形成不全が関与していると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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