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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)

悪性腫瘍転移胸・腰椎における病的椎体圧潰の危険因子

著者: 種市洋1 金田清志1 武田直樹1 鐙邦芳1 佐藤栄修1

所属機関: 1北海道大学整形外科学教室

ページ範囲:P.439 - P.447

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 抄録:脊椎癌転移に続発する椎体圧潰は不安定性による疼痛,腫瘍や圧潰椎体組織の脊柱管内陥入による神経障害を引き起こし,末期癌患者のQOLを著しく低下させる.椎体圧潰の予防は放射線療法や脊柱再建術により達成されるが,適切な治療時期や治療法選択には椎体圧潰の切迫期を決定することが重要である.本研究では悪性腫瘍転移胸・腰椎における病的椎体圧潰の危険因子を分析し,切迫椎体圧潰の時期を予測した.胸椎では①肋椎関節破壊と,②椎体における転移巣の大きさが重要な危険因子であり,切迫椎体圧潰は①腫瘍占拠率:50~60%,または,②占拠率:25~30%で肋椎関節破壊を伴うものであった.一方,胸腰椎・腰椎では,危険因子は①転移巣の大きさと,②椎弓根破壊で,切迫圧潰は①腫瘍占拠率:35~40%,②占拠率:20~25%で椎弓根など破壊を伴う場合であった.切迫椎体圧潰という概念の導入は転移性脊椎腫瘍の治療法決定に重要な意味をもち,患者の高いQOLの獲得・維持に有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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