文献詳細
特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
文献概要
抄録:環軸椎脱臼を中心とした頭蓋頚椎移行部を含めた上位頚椎の病変に対して,当科において1979年4月から1994年1月までの約15年間に施行してきた手術法を紹介し,それらの手術成績について報告し,手術術式を検討した.
手術術式については,神経症状を考慮したうえで,X線画像所見上,basilar impressionのある環軸椎のvertical subluxation例,頭蓋頚椎移行部奇形や環椎後弓形成不全を合併する例などにおいては,後頭骨から上位頚椎に至る後頭骨頚椎間固定術が主に選択される.その際,四肢の神経症状の改善を目的として,環椎の後弓切除や大後頭孔拡大による除圧術を加えることを必要とする症例がある.一方,basilar impressionやvertical subluxationを認めない環軸椎脱臼に対しては,環軸椎間固定により満足な結果が得られ,必ずしも予防的な後頭骨頚椎間固定を要するとは思われなかった.
手術術式については,神経症状を考慮したうえで,X線画像所見上,basilar impressionのある環軸椎のvertical subluxation例,頭蓋頚椎移行部奇形や環椎後弓形成不全を合併する例などにおいては,後頭骨から上位頚椎に至る後頭骨頚椎間固定術が主に選択される.その際,四肢の神経症状の改善を目的として,環椎の後弓切除や大後頭孔拡大による除圧術を加えることを必要とする症例がある.一方,basilar impressionやvertical subluxationを認めない環軸椎脱臼に対しては,環軸椎間固定により満足な結果が得られ,必ずしも予防的な後頭骨頚椎間固定を要するとは思われなかった.
掲載誌情報