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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)

胸椎後縦靱帯骨化症の手術成績と術式選択

著者: 黒佐義郎1 山浦伊裟吉1 中井修1 吉田裕俊1 進藤重雄1 四宮謙一2 松岡正2

所属機関: 1九段坂病院整形外科 2東京医科歯科大学整形外科

ページ範囲:P.513 - P.520

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 抄録:胸椎後縦靱帯骨化症の25手術例と経過観察86例の検討に基づき,臨床上重視すべき骨化群の形態を,①変曲点骨化群,②頂椎上部骨化群,③頂椎部複合骨化群の3群に整理した.頚胸移行部の変曲点骨化群に対しては後方除圧,前方除圧ともに適応し得る.責任椎間が頂椎から2椎頭側まで,概ね第4胸椎以下にある頂椎上部骨化群は,後弯の程度に関わらず前方から除圧すべきである.頂椎部後縦靱帯骨化の尾側に黄色靱帯骨化が併存する頂椎部複合骨化群では,除圧範囲により大塚法または前方除圧を選択する.なお,第2胸椎から第4胸椎まで連続する骨化の前方からの切除は至難であるが,骨化の進展様式からみてこのような骨化形態は稀である.全身状態による制約を受けずに適切な手術法を選択できれば,胸椎後縦靱帯骨化症においても平均改善率60%程度の手術成績は獲得可能である.この観点からも前方除圧術の侵襲を軽減し,安全性を確立する努力が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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