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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特別企画 頚部脊柱管拡大術―そのポイント

広汎同時除圧椎弓切除術および後側方固定術(宮﨑法)

著者: 宮﨑和躬1 広藤栄一1 小野﨑晃1 大庭真央1 水野泰行1 長谷隆生1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院

ページ範囲:P.531 - P.536

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はじめに
 広汎同時除圧椎弓切除術は,1968年1月26日,桐田1)が脊椎外科分野にair drillを導入して39歳男子の頚椎後縦靱帯骨化症(以下頚椎OPLL)の重症例に,1椎弓ずつ観音開きによる椎弓切除を行った際に,椎弓切除終了部の硬膜管が膨隆し,それが椎弓切除予定の隣接椎弓縁にて絞扼されて症状が増悪したことから考案されたものである(図1,2,3).この術式の開発によって脊椎後方法手術の発展に長足の進歩を見た.
 桐田法が開発されてから10年経過した1978年,第51回日本整形外科学会総会にて桐田法を行った頚髄症性脊髄症(以下CSM)の術後1年以上経過した74例と頚椎OPLLの同様の症例129例の術後成績を比較検討した(表1).桐田自身が同じ術式で手術を行っているにもかかわらず,また,CSMの方が頚椎OPLLより手術操作が容易であるにもかかわらず,前者は有効以上75.7%,後者で86.8%と両者の良好な成績の差が10%以上となった,さらにCSMにおいて,頚椎の機能撮影にて術前,術後の頚椎の不安定性が検索出来た56例のうち術後の不安定性増強例は9例16%あり,これらのうちの3例が成績悪化例であった.これら3例はCSM 74例中悪化例6例のうちの50%に当る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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