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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科30巻4号

1995年04月発行

文献概要

特別企画 頚部脊柱管拡大術―そのポイント

頚部脊柱管拡大術―En-bloc laminoplastyの理念と最近の工夫

著者: 伊藤達雄1 加藤義治1 米澤孝信2

所属機関: 1東京女子医科大学整形外科 2富山医科薬科大学整形外科

ページ範囲:P.549 - P.557

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はじめに
 en-bloc laminoplastyの理念は①桐田による脊髄の広範同時除圧4)と,②脊髄後方に椎弓群を残し,脊髄の保護および脊柱管を含む脊柱の再建を企てるものである.まず辻によるen-bloc laminectomyが開発され5),①が効率よく実現された.すなわちエアードリルの導入と共にC3~C7椎弓を両側性に切離し,尾側より一塊として切除するものである.これにより椎弓を薄くすることなく,最小の手技にて安全に椎弓群をen-blocに切離する技術が確立された.この手技の途上にて切離された,椎弓群は硬膜管の圧力にて浮上することを知り,椎弓群を一側では完全切離,他側ではflexibleとなるまでにとどめる初期のen-bloc laminoplastyが完成した.脊柱管は一般に拡大されるが,脳性麻痺例にて浮上椎弓が沈み込んだ結果,脊柱管は狭窄化を生じ,脊髄除圧に支障を来した例を経験した.その後椎弓群を任意の脊柱管拡大位に維持するため,切離・浮上した椎弓と関節突起部に骨片を挿入する現在のen-bloc laminoplastyに至った1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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